2015年9月4日金曜日

ネコがやたらに多い島が変わって

昔の話である

島で犬は飼ってはいけなかった
飼うことはタブーだった

それでも数匹の犬はいた
犬を飼ってる人に犬が欲しいと相談すると
島で犬を飼うことはダメだと答えが返ってくる
子供たちは納得する
島で犬を飼ってはいけないのだと
他の大人も飼ってはいけないと誰もが納得する
そういう島だった


私が生まれる前に事だが
となり村に親が仕事で転勤になった
幼い兄は犬が欲しかった
その島は犬に対して寛大であったため念願の白い犬を飼うことができた
当然、シロという名が付いた
賢くお使いもできる犬だったそうだ

数年して島に戻ることになった
帰る日の前日、大人たちが集まり送別会が始まった
ヤギ汁が出ていた
遊びから帰った兄はシロがいないのに気が付いたが
何も言わず泣きながらヤギ汁を食べたそうだ
私が大きくなってからも母親はその白い犬を賢い犬だったと自慢していた
当時、ヤギが足りなくて犬の代用もかなり普通だった

時が経って
マリリンにシロが恋をした
2キロの海を渡る恋だった
それが新聞に載り、映画になった
犬の飼えない島で銅像にもなった

例外を認める余裕はあった
強い意志で飼う者には時間はかかっただろうが


今では犬の糞の問題が取り上げられるほど犬がいる
どこの地域でも離し飼いは禁じられている
社会性を見につける機会のない犬も多い
私も犬を飼っている
彼は気づいてないが不幸である
彼と時間を掛けて話をしてないが雑種だから長生きするだろう
最近、島では犬の高齢化が進み足腰の弱った老犬が増えた
ドックフードで育った彼等は長生きだ
成人病の話も聞く、路で会う犬の年は15・16・17と答える
医療費も大変高い

この不器用なダルメシアン最近めっきり老けた
甥っ子の犬だが、そろそろ介護が必要か


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