2015年9月13日日曜日

国際ニュースをIS殺害声明から眺める③

ISの9.11前の声明から、ニュースを眺める ③


ISの9.11前にしての声明は、十字軍と意識的に使っている。
西欧とイスラム地域とを明確に分ける位置付けの歴史的な十字軍を持ち出すことの大義を9.11に合わせた声明だ。
ヨーロッパへなだれ込む難民のルートも当然ながら被ってくる。
海路から陸路ルートに変わりつつある。そのルートのバルカン半島は第一次世界戦争の発端地域を含み、ISの個別指定国家もある。
 一連の報道の流れからは先にアメリカやロシアから懸念や否定報道があり、そして実行される。


やはり、プーチンが指摘するようにアメリカの政策失敗は否定できない。
シリアからウクライナへの強引なアメリカの政策の破綻が時間とともに現れている。
時間を使うプーチンの戦いはロシアの歴史的学習から来るものだろう。
ナポレオンもヒトラーもロシア侵攻に失敗し破滅へ進む。
オバマのウクライナへ介入はアメリカ内部の事情によるものと大義が薄い。
それはアメリカ世論のシリアへの地上軍の投入へ反発を見れば確認できる。
その矛盾の現れがアルカイダとタリバンへ政策転換として報道される。


アルカイダは9.11テロの実行組織であり、タリバンからの分派、そのアルカイダからISは派生している。
アフガンでの対ソ連工作の流れでアメリカ、イスラエル、サウジアラビアとの資金的つながりが強い流れを持つ、この資金の興隆が組織の浮き沈みに現れる。
一方、ハマスやヒズボラなどのレバノン、パレスチナの対イスラエル過激派組織はシリア、イランの支援を受けている。
このシリアの紛争イスラエルの関与する報道がほとんどない。可笑しな現象が起こっている。
イスラエルのアメリカ政治への関与疑惑やアルカイダのビンラディン殺害などは触れないでおく、しかし、対IS政策の矛盾は隠しようがない。


イラン核合意に対しイスラエルは反発したがアメリカに説得されている。黙らずを得ないのかもしれない。
サウジアラビアも同様で、ここは報道されている。
しかし、イラン核合意は核開発の問題でシリアを巡る合意とは見ていない。枠組みは変わらない。そのイランを長年にわたり擁護して来たのがロシアであり中国である。
 そのロシアがシリア支援で軍を投入する構えになった。当然ながらイランもIS掃討に協力しシリア支援を行う。そうなるとISはシリア局地紛争では苦しくなる。シリア難民の流れを作り紛争の拡散を画策し本格的なシリア紛争の枠組みを広域な枠組みへ変えなければならなくなる。

報道の難民キャンペーンとも言える加熱ぶりは一定部分は意図されたものと考える必要がある。
特にセンセーショナルな溺死幼児事件は欧米人の偽善的ヒューマニズムには最大の効果を計算された報道だろう。
ドイツのメルケル首相の優先順位の変更、難民問題の優先性を認めつつ、ロシアとの関係重視がある。
アラブの春を迂回したシリアアサド政権転覆の裏にあるイスラエル、アメリカの動きが複雑さを増し収拾がつかない状態の現れがイラン核合意とも言え、今後、多発する可能性がある世界各地で起こる爆発であり、テロとなる。
この状況を指して「アメリカ外交政策の失敗」と名指しされる。
このウネリに日本は駆り出される危険性が安保法案であり、集団的自衛権の行使にある。国民が知らないところで多くはオバマ安倍会談で決まって、自覚なしに中東の枠組みに日本人は組み込まれていき、憲法9条があろうとイスラムの敵国民として狙われる。

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